今回運営しているコミュニティ、サロカリ内のオンラインサロンの1つ、理美容師技術交換サロンでバレイヤージュのテクニックを使ったカラーリングの講習を行いました。
きっかけは、講師のErika Fung(エリカ・フォン)が日本に来ていて再会した事からでした。
彼女はカナダトロントのサロンで働くカナディアン。私が働いていた別店舗の元同僚でした。ディレクタースタイリストとしての実績があるにも関わらず、撮影の技術をもっと伸ばしたいということで、とある美容師さんの元で勉強する為に日本に来ています。
働いていたサロンでも講習会の担当をしていたエリカ。
せっかく海外の技術を伝えれる人が近くにいるので、ぜひサロカリでも共有できれば…と思い企画しました。
今月号のPREPPYにエリカのカラーのテクニックのページも掲載されています★
エリカを講師に向かえ、いざ講習会のスタート!!
海外で求められるカラーリングとは?
“外国人風カラー”という言葉がここ2,3年ヘアカラーの流行を占め、日本人の女性は髪の毛の色をくすませたアッシュ系を好む傾向にあります。
日本人の美容師さんも如何に髪をアッシュ系にキレイに染めるかという事に技術を勉強されている方も多いかと思います。
ではその“外国人風”というカラーですが実際に海外で外国人が求め、流行っているものは一体どんなものなのでしょうか。
私働いていた美容室ではアジア人のお客さんからの要求でワントーン(一色に染める普通のカラー)の次に多いのがバレイヤージュを使った技術でした。
皆さんが想像する白人のお客様は、とても細かいベイビーハイライトかそこにトーニングする(色をかぶせる)カラーという印象でした。
エリカの講習でまず最初に説明されたのは、日本人はコテで巻いたりパーマをかけたりスタイリングをするけど、海外の人は面倒くさがりやなので、スタイリングしなくても立体感があって自然なスタイルを求められるという事でした。
そしてメンテナンスに頻繁に美容室に行かないので、伸びても目立ちにくいカラーのリクエストが多いという事。
そこで一番使われる技術がバレイヤージュです。
バレイヤージュとは技術の名前です。
仏語で“箒で掃く”という意味。
ブラシを立てて動かし、自然なグラデーションを作っていく技術になります。
バレイヤージュのテクニックを使って、カラーリングで髪をどう表現するか。ということが技術として必要になります。
エリカの作品
上の写真はバレイヤージュのテクニックを使った技術の組み合わせで作り上げれています。
バレイヤージュのテクニックを使ったカラーの方法
まず最初にバレイヤージュのテクニックを使って組み合わせる技術の説明をしてくれました。
スライドを見ながら…
- ナチュラルバレイヤージュ
- ハイライト
- オンブレ
- ベビーハイライト
- バックコーム
のご種類をバレイヤージュのテクニックを使ってカラーする事により、より立体感があり、自然な髪色にすることができます。
ナチュラルバレイヤージュ
ブリーチをせずに、カラー剤のみでつくります。自然な立体感を出す事ができ、暖色系のカラーに向いているテクニック。
二色のカラー剤を使用します。
ハイライト
質感の調整と、メリハリをつける事により、さらに立体感を作ることができる。
髪の毛全体をカラーしたくないお客様にもおすすめできるテクニック。
オンブレ
オンブレとはグラデーションカラーの事です。オンブレとバレイヤージュをごちゃまぜに思ってしまう人もいると思いますが、オンブレをバレイヤージュのテクニックで作るという言葉の使い方になります。
オンブレは2,3色使って髪をグラデーション状にします。
毎回リタッチしたくないお客様におすすめ。
ベビーハイライト
ハイライトをとても細かく入れる事を海外ではベビーハイライトと呼びます。
細かいハイライトを全頭に入れることにより、立体感を出します。
バックコーム
バックコーム(逆毛)を根本に入れることにより、元々の毛量が少ない人でも立体感をつくることができます。
以上5つのテクニックを、バレイヤージュの技術で組み合わせてカラーを作り上げます。
そして説明がおわると、実際にエリカがウィッグでデモストレーションを。
バレイヤージュのテクニックのポイント
今回講習に参加したサロカリメンバーは、将来的に海外で美容師をすることを目標としてる方が参加してくださいました。
ということでさっそく海外のカラー剤と日本のカラー剤についても説明してくれました。
そして、今回の講習は英語と日本語を交えて!
海外のカラーチャート
チャートを使って。海外のカラー剤はレベル(明るさ)が日本の表記とは違います。
今回使用する道具
道具はアルミホイル、テールコーム、ダッカール、今回はブリーチの代わりにトリートメント剤で。
エリカお気に入りのハケ。柔らかくて使いやすいらしい。
バレイヤージュには通常このような形状のブラシを使用します。
そしてウィッグを使ってスライスを取り、テクニックのコツを説明してくれます。
バレイヤージュをするときは、とにかく髪の毛を引っ張るテンションが大事!
これは私もサロンの先輩にとにかく言われました。
しっかりとしたテンションで掴めていないと毛がパラパラ落ちてしまい、キレイにグラデーションを作ることができません。
カラー剤をハケの先端にだけつけ、周りにベタベタつけないこと。
そしてグラデーションを入れたいスタート地点より少し低めの位置からカラー剤を塗布し、ハケを縦に動かしていきます。
そして伸ばして伸ばして…
人によってラップを使ったりホイルを使ったり様々ですが、ホイルのメリットは温度を維持できること。
ホイルの貼り方も説明
先程記述した5つのテクニックをどのようにするのかを順番に説明していってくれました。
ベビーハイライト
バックコームの入れ方も
そして最後は写真を見て、どのテクニックを組み合わせてカラーしたかをクイズしてくれました。
こういうクイズを突然するのもあんまり日本の講習で体験したことなかったのでずが、みんな楽しんで真剣にクイズに答えていました。
技術以外の事も色々話しながら講習してくれましたが、私が個人的に印象に残っているのはカラーの技術に対する金額とかける時間。
「日本でカラーは、何時間くらい?」と聞かれましたが、もちろんオーダーにもよりますが「大体1,2時間だけど伸びたら掛け持ちして…」
みたいな感じですよね。
海外の全てのサロンでそうかは分かりませんが、彼女のサロンではまず予約の電話の時点でどんなカラーをしたいか詳しく聞きます。中にはカラーのカウンセリングの予約をしてくる人もいます。
そして予定する技術に合わせてその日の予約スケジュールの時間枠を決めます。
2時間だったり、4時間だったり、中には10時間なんてお客様もいるそうです。
ですが彼女はお客様の掛け持ちはしないそうです。特にブリーチを使うお客様を掛け持ちするなんて考えられないと言っていました。
ですがそれなりの料金もとります。
技術に見合った金額、施術時間に見合った金額。なんか納得できました。
講習の内容の全ては書ききれませんが、サロカリという理美容師コミュニティではこのようにメンバー限定で様々な技術講習も開催しています。
他にはカット講習やヘッドスパの技術講習なども。そして個人的にレッスンをしてもらうアカデミーもあります。
詳しい事はホームページに載ってますのでぜひご覧下さい。
講習予定の2時間、かなりみっちり説明をしてくれたエリカ、ありがとう!
ErikaのInstagramもぜひ覗いてみてください★